チームを組んで患者の治療にあたる際、その連携の中心として活躍するのが看護師です。チーム医療において、なぜ看護師がそれほど重要な役割を果たすのでしょうか。その理由は大きく2つあります。
1つ目は、看護師がチームの誰よりも患者と接する時間が長いからです。医療チームには医師をはじめさまざまな専門家がいますが、看護師ほど患者の日常に密接に関わる仕事はありません。チームで治療を円滑に進めていくには、血圧や体温といった情報だけでなく、患者の不安や気持ちの変化など心の状態まで正確に把握しておく必要があります。看護師はケアを通して患者と会話を交わす機会が多いため、そうした細やかな情報を自然と得ることが可能です。その情報をチーム全体に共有することで、看護師はチームと患者の間に立つ橋渡し役を担っています。
そして、看護師が多職種と関わる機会が多いことが2つ目です。看護師は医師の補助から患者の身の回りの支援まで、幅広い役割を担います。そのため、患者の治療に関わるあらゆる専門家とのつながりが生まれるのです。たとえば、リハビリの担当者や栄養士、退院後の生活を支援する相談員など多くの人々と情報交換する場面があります。つながりの中で得た専門的な情報をほかのスタッフに共有し、チーム全体で医療がスムーズに進むよう取り計らうのも看護師の役割です。
このように看護師には患者と医療チーム、チームのスタッフ同士をつなぐ調整役としての働きが求められます。治療を進めるうえで、医療従事者側と患者側、あるいはスタッフ同士で意見が食い違うと治療は円滑に進みません。どこで考え方の違いが生まれているのか一歩引いた立場から見極め、全員が同じ方向を向いて進めるように軌道修正を行うことが看護師に期待されています。