専門的な知識を持つスタッフがチームを組み、一丸となって患者の治療にあたるのがチーム医療の基本的な考え方です。患者が一日でも早く元の生活に戻れることを目指す取り組みですが、人が集まる以上問題が起こることもあります。その中でも特に多いのが、チーム内で目指す方向性がバラバラになってしまうことです。

原因の一つとして、職種の間で十分な信頼関係が築けていないことが考えられるでしょう。異なる分野で活躍してきた専門家たちが協力し合うためには、まず相手の仕事内容や考え方を知り、お互いを尊重することが大切です。しかし、業務に追われる医療現場では、お互いのことを深く知る時間の確保が難しいのが現状と言えます。信頼関係が十分に育たないままではそれぞれが自分の判断だけで動いてしまい、チームとしての力が発揮できません。

また、医療方針に対する考え方の違いが対立の原因になることもあります。チームにはさまざまな専門家がいるため、それぞれが「これが最善だ」と考えることが違うのは自然です。ですが、チームとして協力しなければならない場面でその違いが際立つと、治療方針を決める障害となり得ます。

もし、自分が所属するチームでこのような不和が生じた場合、看護師はどのように動くのが最善でしょうか。理想的なのは、スタッフ同士の間を取り持つ調整役としての働きです。看護師は仕事柄、医師やリハビリの担当者など多職種と関わる機会が多くあります。その立場を活かし、対立する双方の意見に丁寧に耳を傾け、それぞれの考えを各スタッフに伝えることが可能です。情報共有を促すことでチーム内の風通しを良くし、全員が共通の目的に立ち返るきっかけを作れます。